音楽も絵画も発明も――「恵まれた食料➔カオス➔創造性」の流れによるかもしれない

今回の研究について研究共著者で大学院3年生のオデュッセウス・オア氏は、実に興味深い問いを投げかけています。
「楽器演奏、作曲、視覚芸術の制作といった、より複雑で革新的な行動にも、同様の適応的変異が関わっているのだろうか?」
つまり、モーツアルトが奏で、ピカソが描き、エジソンが発明した根本の力は、ハトが「今日はちょっと違う順番でつついてみよう」と思う心理と同じ生物学的ルーツを持っているのではないか――という仮説です。
もしこれが正しければ、衝撃的な帰結が導かれます。
私たちが「創造性」と呼んでいるものは、天才だけが持つ神秘的な才能ではなく、ハトですら持っている”機械化を拒む性質”の人間版にすぎないのかもしれないのです。
人間の歴史を紐解くと「農耕が始まり身分制度ができると、一部の豊かな人々の中から創造性を発揮させる人が出てくる」という話を聞いたことがあるでしょう。
もしかしたら「恵まれた環境➔カオス➔創造性」という連鎖が創造性を支えているのかもしれません。
もっとも現段階で、ハトの脳内で具体的にどのようなメカニズムがこの変動を生み出しているのか、そして個体差は何に由来するのか――これらはまだ解明されていません。
それでも芸術家が「同じ技法を繰り返すことに耐えられない」と言うとき、それは気取った芸術家論というより、生物学的にはハトと同じ混沌の淵に留まろうとする本能が発動している、という解釈には大きな魅力があります。
もしあなたが、毎日の通勤路でつい違う道を選んでしまったり、同じレシピをアレンジしないと気が済まなかったり、決まったルーチンに飽きが来たりするなら――それは単なる気まぐれではなく、あなたの脳が「混沌の淵」で最適化を続けているサインなのかもしれません。



























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