「忙しい」より「何をすればいいか分からない」が人を壊す
今回の研究で特に興味深いのは、「仕事量の多さ」が必ずしも最も広い悪影響と結びついていたわけではなかった点です。
むしろ、多くの個人・組織面の結果に強く影響していたのは、「自分は何を期待されているのか分からない」という不確実性でした。
研究では、役割曖昧性が強いほど、仕事の成果や「会社のためにもう一歩頑張ろう」という行動が下がりやすい傾向が示されました。
これは少し考えると納得できます。
例えば、仕事量が多くても、やるべきことが明確で、成功基準が分かり、優先順位が整理されている環境では、人は「大変だけど進めている」という感覚を持ちやすくなります。
しかし逆に、何を優先すればいいか不明で、評価基準が曖昧で、正解が見えず、指示が人によって変わる状態では、人は常に「これで合っているのか?」と考え続けることになります。
そのため、仕事を進めていても安心感を得にくく、判断のたびに余計な負担がかかりやすくなります。
この“終わりの見えない不安”が、慢性的なストレスにつながる一因になると考えられます。
一方で、「役割の葛藤」はバーンアウトや心理的苦痛、離職したい気持ちと特に強く関係していました。
矛盾する要求を同時に受け続けることで、「どう頑張っても誰かを満足させられない」という感覚が生まれやすいためだと考えられます。
また、「役割過負荷」は、身体的・精神的な健康問題と関係していました。
大まかに言えば、役割曖昧性は“不安型”、役割葛藤は“板挟み型”、役割過負荷は“疲弊型”のストレスとして理解すると分かりやすいかもしれません。
この研究結果を現代の職場に当てはめるなら、裁量労働やリモートワーク、自律性を重視する働き方についても考える必要があります。
本来、「自由にやっていい」「主体的に動いて」「自分で考えて」という言葉は、働く人の力を引き出すためのものです。
しかし、成功条件や役割定義が共有されていないまま自由だけが与えられると、その自由は「常に正解を探し続ける不安」に変わってしまう場合があります。
今回の研究は、「働きやすさ」とは単に仕事量を減らすことだけではなく、役割を明確にし、期待値を共有し、評価基準を分かりやすくすることも重要だと示唆しています。
人間を最も疲弊させるのは、「忙しさ」そのものではなく、“どこへ向かえばいいのか分からない状態”なのかもしれません。

























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