「改革」は歓迎される時と嫌われる時がある!「空気」を読むべき
研究チームは、この現象を「不確実性」と「空気」の問題として説明しています。
今回の研究で対象となった学校では、新しい校長が来ることで、教師たちは強い不確実性を感じやすくなります。
「この人はどんな方針なのか」「仕事のやり方は変わるのか」「評価基準は厳しくなるのか」
そんな不安や期待が入り混じるため、人々は新リーダーの行動をいつも以上に細かく観察するようになります。
研究者によれば、既存リーダーはすでに「見慣れた存在」です。
周囲の人たちは、「この人はこういうタイプだ」と理解しているため、以前より注意深く観察しません。
しかし新リーダーは違います。
まだ“正体不明”だからこそ、職場全体の注目が集中するのです。
そのため、新リーダーの影響力は良くも悪くも増幅されやすいと考えられています。
特に面白いのは、将来像を語る「ビジョン提示」では予測された効果が確認されず、「現場で具体的にコーチングすること」の方で明確な影響が見られた点です。
研究では、校長によるコーチングとして、授業改善の助言、生徒データの確認、教え方へのフィードバック、教師への具体的サポートなどが測定されました。
そして、この“現場介入”が、学校の空気に強く作用していたのです。
学校に問題意識がある場合、教師たちは「この人は本気で学校を立て直そうとしている」と受け取りました。
すると教師全体の熱意が上がり、最終的に学力テストの成績改善にもつながりました。
一方、現状に満足している学校では、同じ行動が「余計な介入」「現場を信用していない」と受け止められてしまいました。
つまり、リーダーの行動は単独で評価できるものではなく、受け手である組織側の危機感や期待と噛み合ったときに、初めて力を発揮するのです。
これは学校だけでなく、上司が交代する会社やチームでも起こりうる現象です。
停滞感のある組織では、強い改革者が歓迎されます。
しかし順調な組織では、同じ行動が「不要な介入」と受け取られてしまうのです。
今回の研究は、リーダーシップとは単なる能力の問題ではなく、「組織の空気との相性」でもあることを示したのかもしれません。





























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