壁画や装飾、モザイクが残る豪華な空間
調査で特に注目されたのは、遺構の保存状態の良さです。
体育館の地下からは、壁に描かれた人物や花のフレスコ画、天井の曲面に施されたスタッコ装飾などが確認されました。
スタッコ装飾とは、漆喰などを使って壁や天井に立体的な模様を作る装飾技法です。
古代の住人にとって、家はただ寝起きする場所ではありません。
その人の富や趣味、社会的地位を示す舞台でもありました。
部屋の壁に華やかな絵を描き、天井に立体的な装飾を施すことは、訪れた人に「ここは特別な家だ」と伝える手段でもあったのです。

さらに、ある部屋では大きく不規則な形のタイルを使ったモザイクも見つかりました。
これは当時のローマ上流階級の間で流行していた様式とされます。
床や壁の一部に残された装飾は、1800年前の人々がどのような美意識の中で暮らしていたのかを、現代に静かに語りかけています。
一方で、地下空間からは20世紀の生徒や観光客、地下を探検した人々が残した落書きも見つかりました。
現在までに調査されたのは、ドムス全体の一部にすぎません。
遺構は学校の地下深くまで広がっているとみられ、今後さらに発掘が進めば、建物の広がりや所有者、当時の暮らしぶりについて、より多くの情報が得られる可能性があります。
学校と考古学監督局は、将来的にこの遺跡を見学者に公開することも検討しています。
生徒たちの噂話から始まった地下探検は、ローマ史の一部を掘り起こす発見へと変わったのです。
























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