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覚醒した脳の一部で、睡眠の回復効果を誘発 / Credit:Canva
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覚醒した脳の一部で「睡眠の回復効果」を誘発することに成功 (2/2)

2026.06.11 11:30:20 Thursday

前ページ脳の一部だけに「睡眠のリズム」を起こす実験

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「睡眠不足の記憶低下」を補うような効果が見られる

研究チームはさらに、刺激を受けた領域で、睡眠後に見られる「神経のつながりを整理するような変化」が起きているかも調べました。

起きている間、脳はさまざまな情報を処理し、神経細胞同士の結びつきを変化させています。

睡眠中には、その結びつきが整理され、重要な記憶を残しながら、過剰なつながりを調整すると考えられています。

今回の実験では、刺激後にマウスを眠らせず、すぐに脳組織を調べました。

それでも、刺激を受けた領域では、睡眠後に見られる変化に近い分子反応が確認されました。

つまり、覚醒中であっても、睡眠に似たリズムを脳の一部に起こすことで、睡眠の回復作用の一部が進んだ可能性があります。

さらに研究チームは、記憶課題でも効果を確かめました。

通常ならマウスを睡眠不足にすると翌日の成績が悪くなります。

しかし、睡眠不足の間に、感覚や運動に関わる脳領域へ睡眠に似た活動を起こしたマウスでは、よく眠ったマウスに近い成績を示しました。

これは、脳の一部に睡眠様のリズムを起こすことで、睡眠が担う記憶の整理を一部助けられる可能性を示しています。

ただし、この研究を「眠らなくてもよくなる技術」と受け取るのは早計です。

今回の実験は、マウスを対象にして、脳内への光刺激装置を使ったものです。

人間にそのまま応用できる段階ではありません。

また、再現されたのは睡眠のすべての働きではなく、脳の局所的な回復や、特定の記憶課題に関わる効果です。

睡眠には、記憶の整理だけでなく、感情の調整、代謝、免疫、脳全体のネットワークの調整など、さまざまな役割があります。

脳の一部に睡眠様の活動を起こせたとしても、通常の睡眠を完全に置き換えられるわけではありません。

それでも今回の研究は、睡眠の本質を考えるうえで大きなヒントになります。

今後、より安全で侵襲性の低い方法によって、人間でも似た効果を起こせるかが調べられるなら、睡眠不足による認知機能の低下や、学習・記憶の問題を理解する新しい手がかりになる可能性があります。

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