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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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オサガメが「1時間に8リットルの涙」を流さなければならない理由 (2/2)

2026.06.19 12:00:14 Friday

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「泣きながら食べる」ことで塩を外へ出している

オサガメには、海水をできるだけ飲み込まないための工夫があります。

その一つが、特殊な食道です。

オサガメの食道の内側には、角質化した円錐状の「トゲ」のような構造が並んでいます。

これらは胃の方向を向いており、食べ物が逆流したり、水と一緒に外へ逃げたりしにくいように働きます。

たとえばクラゲを飲み込むと、発達した食道の筋肉が収縮し、入り込んだ余分な海水を押し出します。

一方で、トゲが食べ物を押さえるため、海水を体外に排出する一方で、栄養になる部分は体内へ運ばれます。

とはいえ、この仕組みだけですべての塩を防げるわけではありません。

そこで重要になるのが、目の後ろにある「塩類腺」です。

ウミガメの腎臓は、体に入った大量の塩を十分に処理できません。

その代わり、涙腺が特殊化した塩類腺が、血液中の余分な塩分を取り除き、涙として外へ排出します。

この涙はただの水ではありません。

海水の約2倍もの濃さを持つ、粘り気のある塩辛い液体です。

オサガメの場合、塩で体を壊さずにクラゲを食べ続けるためには、1時間に約8リットルもの涙を流す必要があるとされています。

人間の目には、オサガメが泣きながら食べているように見えます。

しかしそれは悲しみではなく、海で生きるための排塩システムなのです。

水中では、この涙はすぐに海水に薄まってしまうため、ほとんど見えません。

オサガメの涙は、感情のしるしではありません。

それは、塩辛い海の中で低塩分の体を守るために進化した、命をつなぐための液体です。

海は生命を育む場所である一方で、そこに暮らす動物に常に塩分との戦いを強いています。

オサガメが流す涙は、その静かな戦いの跡なのです。

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