なぜ夜の強い光が目に影響するのか
研究者たちは、この関連を説明する仕組みとして、主に2つの可能性を挙げています。
1つは、概日リズムの乱れです。
夜8時から11時30分ごろは、本来であれば体が「夜モード」へ移行していく時間帯です。
この時間帯に強い光を浴びると、体内時計がズレ、網膜や水晶体の修復、代謝、老廃物処理のリズムにも影響が出る可能性があります。
もう1つは、光そのものによる細胞への負担です。
現代のLED照明や高輝度ディスプレイには青色光が含まれており、強い光は網膜や水晶体の細胞に酸化ストレスを与える可能性があります。
酸化ストレスは、加齢黄斑変性や白内障、緑内障に共通して関わる生物学的プロセスの1つです。
そのため、夜間に強い光を長時間浴びることが、目の老化に不利な環境を作っているのかもしれません。
とはいえ、この研究は観察研究であり、「夜の強い光が眼疾患を直接引き起こす」と証明したものではありません。
また、光曝露の測定は7日間だけで、手首のセンサーが実際に目へ入った光量を完全に反映しているわけでもありません。
青色光など波長ごとの影響も詳しく測定されていないため、どの種類の光が特に問題なのかについては、今後さらに検討が必要です。
それでも、夜間の強すぎる光は比較的変えやすい生活環境の1つです。
就寝前には画面の明るさを下げる、必要以上に明るい照明を避ける、夜の作業環境を見直すといった工夫は、睡眠だけでなく、将来の目の健康を守るうえでも役立つ可能性があります。
夜を昼のように明るくできることは、現代社会の大きな便利さです。
しかし私たちの体と目は、まだ完全には「夜の明るさ」に適応していないのかもしれません。



























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