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history archeology

現生人類とネアンデルタール人は「ある価値観」を共有していた (2/3)

2026.07.08 12:00:59 Wednesday

前ページ同じ洞窟から「2種の人類」の化石が見つかる

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2種の人類が共有していた「ある価値観」

さらに注目すべきなのは、化石だけではありません。

洞窟からは、人類の生活を示す大量の遺物も見つかりました。

チームは、1万9252点の石器、2万4236点の食糧となった動物の化石、さらに59点の食用には適さない貝類の殻を確認しています。

これらの遺物は、当時の人々が何を作り、何を食べ、どのような物を洞窟に持ち込んでいたのかを教えてくれます。

そして驚くべきことに、ウチャーズリII洞窟では、ネアンデルタール人とサピエンスの間で文化的な連続性が見られました。

両者は、同じような石材を使い、同じような方法で石器を作っていました。

また、同じ動物を狩り、その動物の同じ部位を洞窟に持ち帰って食べていたのです。

ここまでは、同じ環境に暮らしていれば、似た行動になることも考えられます。

同じ土地に住み、同じ資源を使えば、似た道具や食料調達の方法が生まれるかもしれません。

しかし、チームが特に注目したのは、実用性のない自然物の収集行動でした。

それが「食用に適さない小さな貝殻」です。

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洞窟から発見された貝殻、大きさ比較のための一円玉/ Credit: 京都大学(2026)

ウチャーズリII洞窟では、ネアンデルタール人の層からも、サピエンスの層からも、「アフリカタモト」という貝の殻が見つかりました。

アフリカタモトは地中海沿岸に生息する小型の貝で、食料には向いていません。

道具として便利だったわけでもありません。

つまり、生きるために必ず必要なものではないのです。

それにもかかわらず、ネアンデルタール人もサピエンスも、この貝殻を選んで洞窟へ持ち帰っていました。

しかも洞窟の周辺では、他の貝や自然物も手に入ったと考えられます。

その中で、なぜか両者は同じ種類の貝殻を集めていたのです。

これは、単なる偶然とは考えにくい行動です。

チームは、両者が同じ貝殻に対して、何らかの価値を見いだしていた可能性があると考えています。

言い換えれば、ネアンデルタール人とサピエンスは、

「役に立たないが、美しいもの」

「食べられないが、持ち帰りたくなるもの」

に対する感覚を共有していたのかもしれません。

次ページ「美的センス」を共有していた可能性

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