夏でも高齢者の半数超が基準値に届かなかった
高齢者では、6月から8月に検査を受けた人の平均55.6%が50nmol/L未満でした。
つまり、日照時間が長く、日差しが強くなる季節にも、半数以上が研究で定めた十分な水準に届いていなかったのです。
肌の色が濃い少数派民族的背景を持つ成人では傾向がさらに強く、調査したすべての月で少なくとも64%が50nmol/L未満でした。
研究チームは背景として、加齢による皮膚の合成能力の低下、皮膚のメラニン量、食事、生活環境、文化的慣習などが関係している可能性を挙げています。
英国北部のような高緯度地域では、季節によってビタミンDの生成に必要な紫外線B波が少なくなりやすいことも、リスクを高める要因になり得ます。
この結果から分かるのは、「夏になれば自然にビタミンD不足は解消される」という考えが、すべての人に当てはまるものではない、ということです。
日常生活に当てはめると、単に「外に出ていれば大丈夫」と考えるのではなく、食事からの摂取や必要に応じたサプリメントの利用など、複数の手段でビタミンDを補う意識が重要になります。
また、屋内で過ごす時間が長い人や、日焼け対策を徹底している人も、自身の状態を見直すきっかけになるでしょう。
とはいえ、この研究にはいくつかの限界と考慮すべき点があります。
その大きな部分は、研究費はサプリメント企業のBetterYou Ltd.が全額提供したということかもしれません。
著者らは同社が研究の設計、実施、結果の解釈には関与していないと説明しています。
こうした限界はあるものの、今回の研究は、ビタミンD不足は冬だけの問題ではなく、高リスク層では夏にも注意が必要であることを気づかせてくれました。

































