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biology

頭蓋骨の中に新たな「器官」を発見――そこは最前線で脳を守る免疫拠点だった (2/3)

2026.08.21 21:00:50 Friday

前ページ脳のすぐ外側に、誰も見ていなかった空白があった

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新たに発見された脳専用の免疫器官だった

異変は、脳の側からやって来ていた
異変は、脳の側からやって来ていた / Credit:Canva

後頭部の骨を一枚へだてた向こう側にあるもの。

それはです。

そして骨と脳のあいだには、キプニス氏の研究室が以前に見つけたあの細い通路が通っていました。

全身をめぐる液の流れからは締め出されていても、この骨だけは、脳とのあいだに直通の連絡路を持っていたことになります。

ただし、道があることと、そこを実際に情報が通っていることは別の話です。

そこで研究チームは、マウスの脳の神経細胞に目印つきのタンパク質をつくらせ、それが脳の外へ流れ出た先を追いかけました。

すると目印は、脳が老廃物を洗い流す流れに乗って脳の外へ運び出され、頭蓋骨の内側、免疫の訓練施設を持つ後頭部の一角で強く見つかりました。

そして目印を受け取った免疫細胞は、実際に戦闘態勢へと切り替わっていたのです。

では、なぜよりによって後頭部なのでしょうか。

研究チームは、脳から出たものが最も近い出口へ流れ着くこと、そしてこの場所では届いた荷物がとくに長く留まることを挙げています。

近いうえに、居座れるわけです。

教練所が根を下ろすには、この上ない土地でしょう。

これまで脳の異変は、首の奥にあるリンパ節まで運ばれて免疫の判断を受けると考えられてきましたが、その首のリンパ節へ向かう道を縛ってしまっても、頭蓋骨の中の反応は変わらず起こりました。

これらの結果から、新たに発見された器官は脳専用の免疫器官であると考えられます。

とはいえ、頭蓋骨だけで戦いが完結するわけではありません。

この拠点だけで起こせる反応の規模には、限りがあります。

そのため研究者たちは、頭蓋骨の免疫拠点がまず動き、体側のリンパ節や脾臓が後から反応を広げて支える二段構えになっているようです。

実際、研究者たちがこの拠点の教練を薬で邪魔してみたところ、脳腫瘍を抱えたマウスでは腫瘍に集まる免疫細胞が減り、効かない薬を与えたマウスより生存期間が短くなりました。

一方、免疫を後押しする3種類の成分をゲルに混ぜて頭皮の下に注入したところ、頭蓋骨の中では武器づくりの反応がはっきりと高まり、効かない薬を与えたマウスより生存期間が延びていました。

邪魔すれば悪化し、助ければ改善するという両側からの結果は、後頭部の骨髄が脳の免疫の重要拠点であることを浮き彫りにしました。

次ページ私たちの頭にも、同じものがあるのか

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