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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

江戸〜明治の「庶民の食生活」はどれほど健康的だった?古書の毛髪から明らかに

2026.08.21 06:30:14 Friday

江戸時代の庶民の食事と聞くと、白米や漬物、魚を中心とした「質素な食卓」を思い浮かべる人も多いでしょう。

では、そんな食生活は現代と比べて、栄養面ではどのような特徴を持っていたのでしょうか。

龍谷大学などの研究グループは、江戸〜明治時代に作られた和本の表紙に紛れ込んでいた「毛髪」を分析し、当時の都市庶民が何を食べ、どのような元素を体内に取り込んでいたのかを調査。

その結果、食事は米と海産魚を中心とする質素な内容だった一方で、カルシウムや鉄、銅、カリウムなど複数の元素は、現代人の毛髪より高い濃度で検出されました。

しかし同時に、鉛や塩素も高く、亜鉛は低いという、現代とは異なる弱点も浮かび上がっています。

研究の詳細は2026年8月17日付で国際学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。

江戸時代から明治時代の都市庶民の食生活は、 質素ながらミネラル豊富! https://www.nijl.ac.jp/news/12723/
Book-embedded hair reveals mineral-rich diets among urban commoners in early modern to modern Japan https://doi.org/10.1038/s41598-026-63908-y

古い本に残った「毛髪」から江戸庶民の食事を復元

今回、研究者たちが調べたのは、古い和本に書かれた献立や料理の記録ではありません。

注目したのは、本の表紙などに使われた再生厚紙の中に漉(す)き込まれていた毛髪です。

江戸時代には古紙を再利用して厚紙を作ることがあり、その過程で毛髪が混入することがありました。

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毛髪を保存するタイムカプセルとなった古い和本/ Credit: 国文学研究資料館(2026)

研究グループは龍谷大学大宮図書館の所蔵品を中心に約7万冊の和本を調査し、出版された都市と時期を特定できる毛髪を約400部の本から集めました。

そのうち104部では毛髪に含まれる元素を調べ、161部では炭素や窒素の安定同位体を分析して、どのような食品を多く食べていたのかを推定しました。

毛髪が得られた本の多くは京都、大阪、東京で出版されており、年代は17世紀中ごろから19世紀末までに及びます。

分析の結果、当時の都市庶民は、米を中心とした植物性食品と海産魚に強く依存していたことが分かりました。

さらに時代が進むにつれ、米や海産物への依存が強まっていった傾向も確認されています。

これは、歴史資料から知られていた「米と魚を中心とした質素な食生活」とよく一致する結果でした。

次ページ質素なのに一部のミネラルは現代人より多かった

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