心配を1つにまとめるとなぜ効果的なのか?

効果の鍵とみられているのは、やはりスイッチの数です。
心配タイムを繰り返すうちに、心配は「あの時間・あの場所」というスイッチと結びつき直し他の場所や時間は、心配が出てこない、ただの風景に近づいていくとする考えです。
日中に勝手に始まる心配が減るのも、心配と特定の時間や場所が結び付きなおした結果だと考えられます。
他にも心配スイッチが1つに定まると、期待できることがあります。
恐怖症の治療で使われるのは、怖い対象に少しずつ触れて慣れていく手順でした。
心配タイムを決める場合、あちこちに散っていた心配が、毎日同じ30分に集まってきます。
同じ相手に毎日向き合うかたちになるので、恐怖症のときと同じ「慣れ」が起きやすくなると研究チームは考えています。
夜の眠りが変わった理由も、研究チームは同じスイッチの話で説明しています。
ベッドと心配の結びつきが薄れれば、布団の中で心配が始まりにくくなり、眠りを邪魔しにくくなるというわけです。
ただし、うつ症状と前向きな気分については、2つのグループの差が届きませんでした。
気分全体を底上げする万能薬ではなく、動いたのは心配、不安、いやな気分の強さ、そして不眠——心配のすぐ隣にあるものだけだった、ということです。
また参加者が診断を受けた患者ではなく学生であること、効果の持続を追跡していないことから、研究チームは今回の結果をあくまで予備的なものと位置づけています。
それでも、やることは1日30分の決まった時間と場所、そして時間外の心配をそこへ回す練習だけで、特別な道具はいりません。
夜のベッドで心配が始まったら「それは明日の心配タイムで」——研究が示した第一歩は、それだけのシンプルな習慣です。
(※なお、不安や不眠が日常生活に支障をきたすほど強い場合は、専門家に相談してください。)































