人類は群れに守られたはずのメスマンモスを狩っていた

人間の痕跡と隣り合って見つかる骨の山はどうだったのか?
研究チームは、約3万年前から2万年前にかけての11か所の遺跡から出た100頭を、同じ方法で判定しました。
その結果、100頭のうち70頭がメスでした。
先にも述べたように、自然の罠にはまった動物が溜まった場所なら、「3分の2がオス」になるはずです。
洪水などで、あちこちで死んだマンモスの骨が一か所に流れ着いただけなら、オスとメスの比率は半々になるはずです。
7割がメスという結果は、そのどちらでもありません。
しかもこの偏りは、大規模な人類遺跡だけのはなしではありませんでした。
6頭以上のマンモスが調べられた遺跡は、すべてメスに偏っていたのです。
最も多くの個体を調べたポーランドのクラクフ・スパジスタ遺跡でも、26頭のうちメスが大きく上回り、たまたまとは考えられない差が出ています。
こうなると残る説明は、選んで集めた者がいた、というものだけです。
さらに、これらのマンモス塚では以前の発掘で、石器の先端が刺さった骨や、肩甲骨に槍先の破片が食い込んだ骨も見つかっています。
一方で、これらの骨の山に肉食獣がかじった跡がほとんど残っていないことも、以前から知られていました。
巨大な死体が野ざらしになっていれば、ふつうは肉食獣が群がりますが、それがなく石器の痕跡が残っていたのです。
これらの結果は、マンモス塚に眠る大量のメスのマンモスたちが、人類の手で集められたものであることを示しています。


























