なぜ「弱いつながり」が、頭のよさを支えるのか?

脳のつながりは、どこも強ければ強いほどよいのでしょうか?
もし強さだけで決まるなら、あらゆる場所をがっちり結んだ脳ほど有利なはずです。
答えを得るため、研究者たちは点数の手がかりになったつながりを取り出し、その強さと長さを比べました。
すると、高い知能と結びついていたのは「近くの強いつながり」と「遠くへ延びる弱いつながり」の組み合わせでした。
また弱いつながりは、それが長距離を結ぶものほど、強いつながりでは短距離を結ぶものほど、頭のよさとの関わりが強かったのです。
さらに知能の指標が高い人ほど、少ない中継で情報が届きやすいという傾向がもみえてきました。
ここでいう強さは、神経の太さではなく、脳画像から見積もった場所どうしの結びつきの強さです。
従来の分析では、弱くて長い結びつきを捉えきれないことがあり、今回、配線と活動の情報を組み合わせたのには、その見落としを減らす狙いもありました。
この結果は、町の交通網にたとえるとイメージしやすくなります。
町の中の道が充実していても、隣の町へ渡る橋がなければ、行ける場所は限られます。
逆に、遠くの町につながる橋があれば、地元だけでは手に入らない情報や道具を持ち寄れます。
大切なのは、すべての道を太くすることではなく、違う持ち味のある場所どうしを結ぶことです。
脳でも、目の前の図形を見て、昔覚えた解き方を呼び出すには、別々の担当が情報を持ち寄る必要があります。
研究チームは、遠くを結ぶ弱いつながりが、こうした連携を支える橋になると考えています。
さらに、弱い結びつきは脳の活動に応じて調整しやすく、新しい問題に合わせて協力相手を組み替える助けになるというのです。
弱さは、単なる頼りなさではなく、柔軟さを支える性質かもしれません。
ただ、橋を用意することと、その橋をうまく使うことは別の問題です。

























