賢い脳は「つなぐ」だけでなく「切り替え」も上手い

いつもの解き方では行き詰まっていた問題が、見方を変えた途端に解けることがあります。
脳にも、同じ連携を続けるだけでなく、状況に合わせて働き方を変える仕組みが必要だと考えられます。
研究チームは、脳を普段とは違う活動状態へ導く「切り替え役」の領域にも注目しました。
画像をもとにその働きを計算で見積もると、切り替え役の特徴も、頭のよさの点数と関係していました。
こうした領域は一か所に集まっているのではなく、脳のあちこちに分布していました。
研究者たちは、これらの調整役が、そのときの課題に必要な担当を呼び集め、情報の流れを整えると考えています。
じっくり考えるべきか、素早く判断すべきかによって、協力の形を変えるわけです。
さらに、点数が高い人ほど、近場のまとまりは密なのに、離れた場所へは短いルートで届く構造を持つ傾向がありました。
仲間内ではしっかり仕事をしながら、外ともすぐに連絡できる。
そんなバランスが、頭のよさと結びついていたのです。
もちろん、脳画像からその人の賢さを100%確実に見抜けるわけではありません。
それでも、この発見は、人間のように柔軟に考える人工知能をつくるヒントになります。
研究に参加したアロン・バーベイ氏らは、人間の脳の設計を、人工知能の開発に生かせると期待しています。
得意な作業をこなす機能を増やすだけでなく、違う状況でもそれらを組み合わせて使える仕組みが重要になるかもしれない、というのです。
頭のよさの秘密は、何もかもを強く結ぶことではなく、強く結ぶところと、柔軟に結ぶところを使い分ける設計にあるのかもしれません。

























