1年以内の心筋梗塞と脳梗塞が約3倍に
研究チームが使ったのは、アメリカなど4カ国の医療機関に蓄積された、1億5000万人を超える患者の電子カルテのデータです。
その中から、まぶたの黄色いふくらみと診断された約1万8000人を選び出しました。
比べる相手には、ふくらみのない老眼の人たちを、同じ人数だけ選んでいます。
老眼と診断された人は目の専門医の診察を受けており、まぶたの状態もきちんと見てもらっているからです。
その結果、診断から1年のあいだに心筋梗塞を起こした人は、ふくらみのない人が0.35%なのに対し、ふくらみのある人では1.00%に達していました。
脳梗塞でも、ふくらみのない人の0.30%に対して、ふくらみのある人は0.95%でした。
脳の血流が一時的に途絶える発作(一過性脳虚血発作)も、0.19%に対して0.60%です。
どれも割合としては小さいものの、ふくらみのある人ではそろって約3倍にのぼっていました。

しかも、この差は時間がたっても消えませんでした。
10年後の時点でも、心筋梗塞はふくらみのない人の1.73%に対してある人は3.13%、脳梗塞は1.53%に対して3.00%でした。
約3倍あった差は縮まったものの、ふくらみのある人の危険は、なお約2倍の高さを保っていたのです。
喫煙や高血圧などの条件をそろえたうえで、これだけの差が長く残ったことになります。
もし危険の高さが血液中の脂の多さだけで決まるなら、同じふくらみのある人でも、脂質異常症のない人では低く出るはずです。
ところが、ふくらみのある人どうしで比べると、脂質異常症のある人とない人とで、心筋梗塞や脳梗塞の起こりやすさに大きな違いは見られませんでした。
このふくらみが知らせる危険は、コレステロール値だけでは測りきれないのかもしれません。























