「がっついている」と思われても、恋は冷めなかった

翌朝が最も効き、2日後が最も効かなかった理由はなんだったのか?
答えを得るため研究チームは参加者に、どんな「印象」を抱いたかも尋ねていました。
まず「メッセージを待つあいだ、相手のことをどれだけ強く考えそうか」は、3つのタイミングではっきりとは変わりませんでした。
「自分と相手のどちらが恋愛の相手として上か」という感覚(相対的な配偶価値、メイトバリュー)にいたっては、3条件でぴくりとも動きません。
タイミングを変えても、送り主の株が上がることはなかったのです。
しかし送り主が交際をどれだけ欲しがって見えるか(がっつき度)の得点は、直後なら9段階で6.02点、翌朝は5.05点、2日後には4.05点まで下がります。
焦らすほど、余裕のある人間に見えるというわけです。
ところが意外なことに、この点数は相手の交際意欲と結びついていませんでした。
さらに、がっついていると思われた送り主が、そのぶん嫌われることもありませんでした。

代わりに、2日も待たせると、はっきり削られてしまうものが2つありました。
1つは、「この人も自分を好いてくれている」という手応え(好意の返報性)で、直後に連絡が来たグループでは6.54点、翌朝で6.10点、2日後には4.86点まで落ちました。
もう1つは、「この人は頼りになりそうだ」という信頼で、直後と翌朝は5.5点前後で並びましたが、2日後だけが4.62点まで沈みました。
そしてこの2つは、がっつき度とは違って、相手の交際意欲をはっきり押し上げる力を持っていたのです。
このことから、初デート後のメッセージを2日も遅らせる「焦らし作戦」は、好意と信頼を犠牲にして「がっつかない」という印象を稼いでいるに過ぎないことが見えてきました。
以上の結果から、初デート後のメッセージは翌朝がベストであることがわかります。
しかし、直後はなぜ翌朝に負けたのでしょうか。
特に不思議なのは別れた直後に届いたメッセージは、「自分は好かれている」という手応えを3条件でもっとも強く残しているにもかかわらず、交際意欲では翌朝に負けている点です。
じつはこの翌朝の上乗せ分は、今回尋ねた印象のどれを使っても説明がつきませんでした。
ただ研究者たちは、メッセージが届くまでの短い間、受け取る側が「あの人は自分をどう思っているんだろう」と宙ぶらりんな気持ちで過ごし、それがドキドキを生んだのかもしれないと考察しています。
もっとも、今回の研究は文章で場面を想像してもらう形式であり、現実の初デートとは異なります。
メッセージの内容や、デートがどれほど盛り上がったかによっても、結果は変わる可能性があります。
それでも、543人分の採点が指した方向は一貫しており、連絡のタイミングが単なる時計の問題ではないことを示しました。
受け手はそこから、相手の好意や頼りがいまで読み取っていたのです。



























