幼いうちから減っていた「卵の蓄え」

研究チームは、宇宙帰りの母から生まれた子と、地上の母から生まれた子を比べました。
調べたのは、子を産む力だけではありません。
成長のぐあいや筋肉の力、行動、代謝まで、幅広く見ています。
すると宇宙帰りの母の子は、成長や体の働き、行動の面で、地上の母の子とはっきり違っていました。
たとえば筋肉の力は、地上の母の子より15%ほど弱かったのです。
メスの子は、行動を調べる実験で、ストレスに弱い様子も見せました。
研究に加わったカンザス大学医療センターのレーン・クリステンソン教授は、「調べた目印のほとんどすべてに、何らかの違いがあった」と話しています。
なかでも目立ったのが、卵の蓄えです。
ここで手がかりになったのが、抗ミュラー管ホルモン(AMH)というホルモンです。
AMHの量は卵巣にある卵の数と連動していて、多ければ卵の蓄えが多く、少なければ蓄えが少ないことを表します。
いわば、卵の残りぐあいを映す目盛りのようなものです。
宇宙帰りの母から生まれたメスの子は、生後21日というまだ幼いうちから、このAMHが少なくなっていました。
孫の代でも、AMHは地上のマウスの孫より少ないままでした。
孫には、代謝や生殖の面での乱れも見られています。
クリステンソン教授は「42日という比較的短い期間で、これほどはっきりした変化が起きたことにかなり驚いた」と語っています。

























