宇宙帰りのマウス、行っていない娘のほうが産む子が減っていた
宇宙帰りのマウス、行っていない娘のほうが産む子が減っていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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宇宙帰りのマウスから生まれた娘は、産む子の数が少なかった

2026.09.26 14:00:00 Saturday

宇宙で42日間暮らしたメスのマウスから生まれた子や孫で、子を産む力に関わる変化が見つかりました。

NASAの宇宙実験に参加したマウスを、カンザス大学医療センターなどの研究チームが調べた結果です。

宇宙に行ったのは母親のマウスで、子は母親が地球に戻ってから交配して生まれています。

それなのに、子の代のメスでは産む回数と生まれる子の数が減り、孫の代でも卵の蓄えの目安となるホルモンが少ないままでした。

人が月や火星を目指すいま、気になる結果です。

ただしこれはマウスでの研究で、人に同じことが起きるかはまだ分かっていません。

研究内容の詳細は2026年6月30日に『Proceedings of the National Academy of Sciences』にて発表されました。

Spaceflight may harm the reproductive system of astronauts' kids and grandkids, early mouse study suggests (Live Science) https://www.livescience.com/health/reproductive-health/spaceflight-may-harm-the-reproductive-system-of-astronauts-kids-and-grandkids-early-mouse-study-suggests
Female reproductive dysfunction and transgenerational consequences following prolonged spaceflight exposure https://doi.org/10.1073/pnas.2606092123

宇宙に行ったのは母親、変化が出たのは子と孫

宇宙に行ったのは母親、変化が出たのは子と孫
宇宙に行ったのは母親、変化が出たのは子と孫 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

実験の舞台は、NASAがマウスを使って行った宇宙実験「ロデント・リサーチ20」です。

20匹のメスのマウスが、国際宇宙ステーションで42日間暮らしました。

地球に戻って5日後、母親のマウスたちは交配し、ちゃんと妊娠しました。

一度に生まれた子の数は、宇宙に行かなかった地上のマウスより少しだけ少なめでした。

ただ、その差は偶然でも起こりうる程度で、はっきり差があるとは言えないものでした。

母親そのものの子を産む力は、大きくは落ちていなかったのです。

はっきりした違いが出たのは、次の世代でした。

宇宙帰りの母から生まれたメスの子は、9か月のあいだに産んだ回数も、生まれた子の総数も、地上の母から生まれたメスより少なかったのです。

研究チームはこれを、子を産む力が早い時期に失われたしるしだと見ています。

さらに孫の代でも、卵の蓄えが減った状態が続いていました。

研究チームは、母親が宇宙に行ったことで、子を産む力の弱さが次の世代へ伝わったことを示す結果だとしています。

月や火星、さらにその先を目指す人にとって、宇宙には重力や放射線、外の世界から切り離された暮らしといった、宇宙飛行ならではの危険があります。

それなのに、宇宙が女性の生殖の仕組みや、その先の世代にどう響くのかは、これまでほとんど調べられてきませんでした。

2019年には、宇宙に行ったオスのマウスが健康な子をもうけられたという研究がありました。

今回の研究は、調べられることが少なかったメスの側の空白を埋めるために行われたものです。

ただし、これはあくまでマウスでの結果です。

人の宇宙飛行士やその家族に同じことが起きるのかは、まだはっきりしません。

それにしても、宇宙に行った母親から生まれた子や孫の体で、いったい何が起きていたのでしょうか?

次ページ幼いうちから減っていた「卵の蓄え」

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