鏡にしか映らないカニ、タコはたどり着けるのか?

練習では、タコたちが開け方を知っているガラスびんに生きたカニを入れ、角の向こうの直接は見えない場所に隠しました。
カニの姿は、鏡に映ったものを通してしか見えません。
はじめは、どのタコも鏡に映ったカニめがけて、まっすぐ鏡へ向かいました。
キーゼラー博士によれば、タコたちは鏡の前まで来てから「あ、向こうにいるのか」と気づく様子だったといいます。
それでも10〜12回ほど挑むうちに、どのタコも鏡を素通りしてびんへ直行することを覚えました。
本番の試験は、さらにむずかしいものでした。
研究チームはタコを水槽の端に置いた小さな箱に入れました。箱は上と、鏡に面した1面だけが開いています。
開いた面の先には水槽の幅いっぱいの大きな鏡があり、タコからは鏡に映った水槽の反対側が見えます。
タコの背後にあたるその壁には画面があり、動き回る「仮想のカニ」の映像が映し出されました。
つまりタコがカニを見られるのは、鏡に映った姿だけです。
本物のカニを使わなかったのは、化学物質を感じ取るセンサーを持つタコが、においや味でカニを見つけてしまわないようにするためでした。
映像のカニは、試行ごとに左か右のどちらかに現れます。
上の仕切りから落とされる生きたカニをごほうびにもらうには、タコは箱を出てぐるりと向きを変え、鏡がカニを映していた側へ進まなければなりません。




















