「飛ぶための体」は1回だけ生まれたのか?

ノレルラプトルは「ミクロラプトル類」と呼ばれるグループの一員です。
ミクロラプトル類は鳥にとても近い親戚ですが、鳥の祖先ではありません。
鳥は、そのとなりにある「アビアラエ(鳥とその初期の仲間が入るグループ)」という別の枝に属しています。
化石から、羽毛はミクロラプトル類にも、アビアラエの初期の動物にもあったことが分かっています。アビアラエの初期の動物とは、約1億5000万年前のジュラ紀後期にいた始祖鳥などです。
そこで長年のなぞになってきたのが、飛ぶ力が両方の共通の祖先で一度だけ生まれたのか、それとも羽毛や飛ぶ力が何度も別々に生まれたのかという点です。
研究チームは、ノレルラプトルを手がかりにミクロラプトル類の体の変化をたどり、鳥の進化とくらべてみました。
研究チームの分析では、ミクロラプトル類の進化の中で194の体のつくりの変化が見つかりました。
そのうち約30%は、鳥の系統でも同じように起きていた変化でした。
羽毛のほかにも、肋骨に骨の突起がくっついて胴体が硬くなるという変化が含まれていました。
また、後ろあしにくらべて前あしの骨ががっしりしていることや、尺骨(翼の重さを支える主な骨)が二の腕の骨(上腕骨)より長いことも共通していました。
ところが、ほかの化石とくらべると、こうした共通の特徴が現れた順番は、ミクロラプトル類と鳥とで違っていたのです。
つまり両者は、似た体にたどり着きながらも、そこまでの道のりは別々だったと考えられます。
研究に参加していない中国科学院古脊椎動物・古人類研究所のペイ・ルイ氏は、ミクロラプトル類は本物の鳥の初期の段階と「収斂(しゅうれん)」した特徴を、別の進化の道筋で手に入れたと述べています。
収斂とは、ちがう生き物がそれぞれ別の道を通って、似た特徴にたどり着くことです。
ペイ氏は、この結果が、羽ばたいて飛ぶ力は鳥以外の恐竜と鳥とで独立して生まれたという考えを後押しするとしています。
ハートマン氏も「さまざまなグループで、おそらく飛ぶ力が別々に生まれたという結論に至ったことをとてもうれしく思います」と話し、強く賛成しています。




















