女性の胸のふくらみは、赤ちゃんを温めるために進化したのかもしれない
女性の胸のふくらみは、赤ちゃんを温めるために進化したのかもしれない / Credit:Canva
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女性の胸のふくらみは、赤ちゃんを温めるために進化したのかもしれない (3/3)

2026.10.01 19:45:40 Thursday

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胸のふくらみは熱を渡す場所でもあった

胸のふくらみは熱を渡す場所でもあった
胸のふくらみは熱を渡す場所でもあった / Credit:Canva

授乳とは、母乳を渡す行為だと考えられてきました。

今回の結果が示しているのは、そこに熱の受け渡しが重なっていた可能性です。

肌と肌を合わせたとき、母親の皮膚の温度が赤ちゃんの体温を安定させる重要な要素になることは、以前から知られていました。

赤ちゃんを母親の胸に抱いて温めるケア(カンガルーケア)の場面では、赤ちゃんの必要に応じて乳房の温度が調節されることを示した報告もあります。

新生児が体温を失うことは、設備の整った現代の病院でさえ深刻なリスクであり、火も服もなかった時代、赤ちゃんにとって最も確かな熱源は、母親の体温だったのでしょう。

そして今回の研究では、その胸がどれだけの熱を持ち、寒さのなかでどれだけ保てるのかを、数字にしたことになります。

似た現象は、ヒト以外の霊長類でも見つかっています。

野生のベルベットモンキーを調べた2024年の研究では、授乳中のメスの体温が授乳していないメスより高いことが報告されており、論文はこの違いにも赤ちゃんの体温維持が関わっている可能性をみています。

授乳中の体が熱を持つこと自体は、ヒトだけの特徴ではないようです。

ヒトに固有なのは、その熱を渡す面が大人になってもふくらんだままで、赤ちゃんを広く包める形をしていることでした。

この結果は、これまでの説明を追い出すものではありません。

論文は、乳房がまず皮下脂肪の増加という別の変化の副産物として現れ、のちに性的選択によって発達したという見方と、今回の結果は矛盾しないとしています。

胸がふくらみ始めるのは思春期、最初の妊娠よりずっと前です。

その時期の脂肪は、エネルギーの貯えという別の役割を持っているのかもしれない、と論文は述べています。

そのうえで研究チームは、脂肪は赤ちゃんと触れ合う面積を大きくする役目を担い、冷えにくさそのものは乳腺の活動が生んでいる、と結論づけました。

もっとも、参加者は27人、そのうち授乳中の女性は8人です。

測ったのも成人の乳房の表面温度であって、赤ちゃんの体温ではありません。

それでも論文は、この研究が仮説の成り立ちうることをはっきり示したと述べています。

研究チームは次に、人数を増やし、別の温度でも同じことが起きるかを確かめる必要があるとしています。

さらに、授乳中と授乳していないメスのチンパンジーで胸の温度を比べれば、ふくらんだままの胸の起源に迫れると提案しています。

お乳を与える場所は、赤ちゃんに温もりを渡す場所でもあったのかもしれません。

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