AIも手こずったゲーム「ストラテゴ」がついに攻略される
AIも手こずったゲーム「ストラテゴ」がついに攻略される / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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AIも手こずったゲーム「ストラテゴ」がついに攻略される (2/3)

2026.10.05 19:50:00 Monday

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見えない駒をどう読む? アタラクソスが勝負に持ち込んだ2つの工夫

見えない駒をどう読む? アタラクソスが勝負に持ち込んだ2つの工夫
見えない駒をどう読む? アタラクソスが勝負に持ち込んだ2つの工夫 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

アタラクソスの土台は、自分自身との対戦を繰り返して強くなる「自己対戦」による強化学習です。

勝ちにつながった手はより多く、負けにつながった手はより少なく指すように学ぶという発想は、DeepNashと同じでした。

アタラクソスが自分自身と戦った対局は、合計1億6300万局にのぼります。

違ったのは、1局ごとに戦略をどれだけ変えるかの加減です。

隠れた情報があると、自己対戦の学習は同じところをぐるぐる回りやすくなります。

そこで研究チームは、学習の序盤では戦略を大胆に変え、後半では小さく慎重に変えるようにしました。

さらに大きな工夫が、DeepNashには無かった「一手ごとに先を読む」仕組みです。

AlphaGoのようなAIは指す直前に先読みをして戦略を磨きますが、ストラテゴでは考えるべき可能性が多すぎて、DeepMindはこれを実現できませんでした。

研究チームが用意したのは、相手の駒がこれまでどう動いてきたかからその正体を推測する「信念モデル」というニューラルネットワーク(脳の神経回路をまねた計算の仕組み)です。

アタラクソスはありうる配置をすべて調べる代わりに、もっともらしい配置をいくつか抜き出し、それぞれで候補の手を試しに進めて、結果の良い手を選びます。

見えない駒を全部数え上げるのではなく、「ありそうな駒」に絞って読むわけです。

論文によると、ストラテゴほど隠れた情報が多いゲームで指す直前に先読みするのは大きな難題とされ、これまでの研究は事実上それをあきらめていました。

こうして鍛えたアタラクソスが挑んだ相手は、ピム・ニーマイヤー氏です。

ニーマイヤー氏は世界選手権を4度制し、世界ランキング1位の座に600週以上ついてきた、史上最高とも言われるプレイヤーです。

ニーマイヤー氏は3週間にわたってオンラインで20局を戦い、1勝するごとに100ドルを受け取る条件でした。

AIが自分に合わせて戦い方を変えないと分かっていたので、弱点を探す時間は十分にありました。

それでも結果は、アタラクソスの15勝1敗4分けでした。

研究チームの知る限り、これはストラテゴの歴史で初めて、AIが人間を超える強さを示した結果です。

以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(AIがチェスで圧勝する理由の一端が見えてきた――「ややこしいまま耐える」時間が人間より長い)

唯一の1敗について研究チームは欠点ではないとし、駒の並べ方をランダムにする必要があるこのゲームでは運が必ず絡むと説明しています。

論文のシニア著者でMITのガブリエーレ・ファリーナ助教は「完璧な戦略でも、ときには負けるのです」と話しています。

2025年のストラテゴ世界選手権でも、会場でアタラクソスに挑んだ参加者たちは40局中38局で敗れました。

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