優しさを武器にする女性に共通した「ある性格」

結果を見ると、優しさを競争に使うと答えた女性ほど「マキャベリアニズム(人づきあいを、自分の得のために操るものとしてとらえる性格)」が強いという、はっきりした関係が見られました。
つまり、戦略的な親切を多く報告した女性ほど、計算高く自分の利益を優先した人づきあいをする傾向があったのです。
反対に、心からの温かさや信頼、誠実な協力に関わる「協調性」が高い女性ほど、優しさを競争に使うと答える度合いは低くなっていました。
また、こうした優しさは、男性に向けるよりも、ほかの女性に向けて使うと答える度合いのほうが高くなっていました。
一方で、外向性や勤勉さとの関係は、予想に反して見られませんでした。
「神経症傾向(不安やいらだちを感じやすい性格)」は、優しさを競争に使うこと自体ではなく、それにともなう不安やいらだちと結びついていました。
たとえば「自分の親切が本心ではないと思われないか」という心配や、親切に気づいてもらえなかった時のいらだちです。
意外だったのは、自分をよく見せようと答えるくせが強い人ほど、優しさを競争に使うと答える度合いが低かった点です。予想とは逆の関係でした。
この結果にはいくつかの読み方がありますが、その一つは、参加者が戦略的なねらいを隠さずに正直に答えたという見方です。
自由に書いてもらった答えでも、女性たちは他人の戦略的な親切を、職場の上下関係の中でのふるまいや、SNSなどで見せつける場面、人前では温かいのに陰では裏返る態度として描いていました。
ただし、注意しておきたい点もあります。
アンケートの平均点は「どちらでもない」より低く、女性たちは平均すると、戦略的な親切の文に「当てはまらない」寄りの答えをしていました。
フィッシャー氏も、この研究はどんな女性がこうした行動を報告するかを示すもので、それが日常でどれほどよくあるのかや、うまくいくのかは分からないと述べています。
さらに結果は、主に欧米からオンラインで参加した人が自分で答えたものです。新しく作ったアンケートも、より大きな別の集団で確かめる必要があり、今回の結果はまだ初期の証拠です。
それでもこの研究は、優しさと競争は正反対ではなく、親切が競争の役目を果たす場合もあることを示唆しています。
もちろん、すべての親切が競争のためにあるわけではありません。
目の前の優しさが本心か作戦かを見破ろうとするより、自分の親切がいま誰のほうを向いているかに目を向けてみるほうが、ずっと実りがあるのかもしれません。
差し入れのクッキーが1枚多かったからといって、宣戦布告だと受け取るのはやめておきましょう。こうなってくると親切か攻撃か分からなくなってしまいそうですね。




















