パンを食べたあとの血糖値を「ひとり」と「恋人のそば」で比べた

私たちの体には、血液の中の糖の量や体温などを、ちょうどよい範囲に保とうとするしくみがあります。
これを「恒常性(ホメオスタシス)」と呼びます。
乱れが起きると元に戻そうと働き、用が済めば働きを弱めて、余計なエネルギーを使わないようにしているのです。
このしくみはこれまで、一人ひとりの体の中で完結するものと考えられてきました。
一方で、そばに誰かがいることでこの調整がもっと効率よくなるのかどうかは、分かっていませんでした。
研究チームが注目したのは、これまで人づきあいに左右されるとは考えられてこなかった、糖の処理(糖代謝)です。
実験では、大人の参加者に、決まった種類の白い小麦パン102グラム(炭水化物50グラム分)を食べてもらいました。
そして食後120分にわたって、血液の中の糖の量を測りました。
比べたのは、ひとりで過ごす「ひとり条件」と、恋人がそばにいる「一緒条件」です。
同じ人に両方の条件を順番を入れ替えながら体験してもらう方法と、人を別々のグループに分けて比べる方法の両方で調べています。
体の反応の大きさは、食後に血糖値がふだんの値からどれだけ大きく、どれくらい長く外れたかを足し合わせた値で表しました。
この値が小さいほど、同じパンを食べても、体は少ない負担で血糖値を元に戻せたことになります。
では、恋人がそばにいるかどうかで、パンを食べたあとの血糖値に違いは出たのでしょうか。



















