恋人がそばにいると、食後の血糖値はどう動いた?

結果は、一緒条件のほうがひとり条件よりも、食後の血糖値の上がり方が小さく、元に戻るのも速いというものでした。
大人108人が両方の条件を体験した比較では、反応の大きさを表す値が、一緒条件で平均約14.6%小さくなっていました。
54人ずつ別々のグループに分けた比較では、その差は平均23.9%にのぼりました。
食べる前の血糖値は、どちらの条件でもほぼ同じでした。
以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(日の光を浴びると2型糖尿病の血糖値変動が改善する可能性がある)
違いが現れたのは、パンを食べたあとです。
同じ人が両方の条件を体験した比較では、食後に測ったすべての時点で、一緒条件の血糖値のほうが低くなっていました。
別々のグループの比較では、一緒条件のほうが低かったのは食後45分と60分の時点で、90分と120分でははっきりした差になりませんでした。
つまり、同じ量のパンを食べても、恋人がそばにいると、体はより少ない負担で血糖値を元に戻せていたのです。
研究チームは、この傾向が糖の処理以外のしくみでも見られるかも調べました。
その結果、寒さにさらされたときの体温の調整(大人116人)でも、ストレスを受けたときの交感神経(体を興奮した状態に切りかえる神経)の調整(大人115人)でも、一緒条件のほうが効率よく働いていました。
さらに赤ちゃん56人でも、母親がそばにいると、ストレスを受けたときの交感神経の調整がより効率的になっていました。
親しい人のそばでは、体の状態をちょうどよく保つしくみがより効率よく働く。研究チームはこの原理を「ソーシャル・フィジオロジー(社会的な生理学)」と名づけています。
そのうえで、体の中で生まれるこうした利点が、人どうしの絆が生まれ、保たれることに役立ってきた可能性があると考えています。
ただし今回の「そばにいる人」は、効果が出るかどうかをまず確かめるために、恋人や母親というとても親しい相手に限られていました。
友人や同僚と食べる場合にも同じ違いが出るかは、今回の実験では確かめられていません。
食事と健康の話になると、私たちはつい皿の上のものばかりに目を向けがちです。
けれど体は、そばに誰がいるかまで受け止めて、糖の処理のしかたを変えていたのかもしれません。
健康診断の前の週は、食事制限より先に、まず恋人の予定を押さえることから始める人が出てくるかもしれません。



















