名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見
名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by ChatGPT, ナゾロジー編集部
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名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見

2026.10.12 15:00:00 Monday

本州の東京からおよそ900〜1,000km南の海に、100を超える島と岩が集まる小笠原諸島があります。

大陸から遠く離れているため固有種(その土地だけにすむ種)が多く、陸の貝では90%以上、昆虫でも30%にのぼります。

その小笠原に、木の葉の裏で汁を吸って暮らす「オガサワラグンバイ」という虫がいます。

この虫はこれまで、父島のまわりの父島列島と、母島のまわりの母島列島の両方にすむ1つの種だと考えられてきました。

では、海をへだてた2つの島々にすむこの虫は、本当に同じ種なのでしょうか。

研究チームは、この虫たちの遺伝子をくわしく読み比べることで、その答えに迫りました。

研究の詳細は、2026年10月8日付で学術誌『ZooKeys』に掲載されました。

Genome-wide SNP data reveal phylogenetic relationships and further new species of lace bugs (Hemiptera, Heteroptera, Tingidae) endemic to the Japanese oceanic islands (the Ogasawara Islands), providing insight into their speciation (ZooKeys) https://doi.org/10.3897/zookeys.1294.205145
Genome-wide SNP data reveal phylogenetic relationships and further new species of lace bugs (Hemiptera, Heteroptera, Tingidae) endemic to the Japanese oceanic islands (the Ogasawara Islands), providing insight into their speciation https://doi.org/10.3897/zookeys.1294.205145
出どころの画像
出どころの画像 / Credit: ZooKeys

小笠原だけにすむ「グンバイムシ」の謎

小笠原だけにすむ「グンバイムシ」の謎
小笠原だけにすむ「グンバイムシ」の謎 / Credit: Souma & Nakahama, ZooKeys (2026) / CC BY 4.0(地図のもとは国土地理院のデータ)

グンバイムシは、名前に相撲の「軍配」が入ったカメムシの仲間で、植物の汁を吸って暮らしています。

多くは食べる植物がかなり決まっていて、海の島々にはその島だけにすむ種がたくさん知られています。

小笠原諸島からも、ここにしかいない2つのグループ(属)のグンバイムシが、あわせて8種見つかっていました。

中でも「オモプラクス属」では、同じ木や近い仲間の木を食べる種どうしが、別々の島に分かれてすんでいます。

そのためこの仲間は、小笠原の中で次々と枝分かれして新しい種を生んできたのではないかと考えられてきました。

オガサワラグンバイもこの仲間で、父島列島と母島列島の両方でシマシャリンバイという木を食べています。

ところが父島列島には、それに加えて、海辺や木が植えられた街なかに多い別の木を食べるグループもいます。

さらに父島列島の虫には、母島列島の虫には見られない色のちがいが出ることもありました。

そこで研究チームは、この虫が食べる木やすむ島のちがいによって、2つに分かれていく途中なのではないかと考えたのです。

チームは8種52匹分の標本からDNAを取り出し、ゲノム(生き物がもつ遺伝情報の全体)のあちこちにある「1文字だけのちがい」を読み比べました。

このうち41匹で島ごと・木ごとのちがいを、28匹で種どうしの親戚関係を表す家系図(系統樹)を調べています。

次ページ父島と母島の虫、遺伝子が示した「本当の親戚」とは?

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