名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見
名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by ChatGPT, ナゾロジー編集部
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名前に相撲の「軍配」をもつ虫、小笠原諸島で新種を発見 (2/3)

2026.10.12 15:00:00 Monday

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父島と母島の虫、遺伝子が示した「本当の親戚」とは?

父島と母島の虫、遺伝子が示した「本当の親戚」とは?
父島と母島の虫、遺伝子が示した「本当の親戚」とは? / Credit: Souma & Nakahama, ZooKeys (2026) / CC BY 4.0

解析の結果、オガサワラグンバイは、父島列島と母島列島の2つのまとまりにはっきり分かれました。

一方で、食べる木によるちがいはわずかで、父島列島の中の兄島・父島・弟島の間でもまとまりは分かれませんでした。

家系図を描くと、ほかの5種はそれぞれきれいに1つのまとまりになったのに、オガサワラグンバイだけは1つにまとまりませんでした。

父島列島の虫と母島列島の虫が、家系図の上でそれぞれ別の枝に分かれていたのです。

しかも母島列島の虫に一番近い親戚は、父島列島の虫ではなく、別の木を食べる「ヒサスエイ」という種でした。

逆に父島列島の虫は、聟島列島にすむ「カルベイ」という種と一番近い親戚でした。

こうした結果から研究チームは、父島列島と母島列島の虫は2つの別の種と考えるべきだと結論づけました。

改めて体を比べると、オスの交尾器にある小さな部品の外側の真ん中が、母島列島の虫では丸く、父島列島の虫では角ばって出っ張っていました。

また母島列島の虫は、触角の3つ目の節の先と胸の背中の真ん中がいつも薄い茶色ですが、父島列島の虫ではときに濃い茶色から黒になります。

どちらが元の「オガサワラグンバイ」の名前を引き継ぐかは、100年以上前の記録が決め手になりました。

最初にこの虫が報告された時の標本には「小笠原」とだけあり、島の名前は書かれていませんでした。

しかし標本を集めた松村松年博士が、1905年の調査で訪れたのは父島だけだったことが分かっています。

そのため父島列島の虫がオガサワラグンバイの名前を引き継ぎ、母島列島の虫は新種「サンドルグンバイ」として名付けられました。

ちなみに、以前の研究でオガサワラグンバイとして描かれていた交尾器の図は、実はこの新種のものだったといいます。

サンドルグンバイは母島列島の森で、シマシャリンバイの葉の裏から汁を吸い、葉の表に不規則な黄色いしみを残します。

野外と飼育での観察では食べる木はシマシャリンバイしか確かめられておらず、1種類の木だけを食べる虫である可能性もあります。

これで小笠原諸島のグンバイムシは、全部で9種になりました。

次ページこの仲間では「似ている」が親戚の証拠とは限らない、種を分けたとみられる2つの道

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