深海の海底には「約1万2000もの未知ウイルス」が隠れていた
深海の海底には「約1万2000もの未知ウイルス」が隠れていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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深海の海底には「約1万2000もの未知ウイルス」が隠れていた

2026.10.06 10:40:00 Tuesday

冷蔵庫の奥を片づけていたら見覚えのない瓶が出てきて、中身を確かめる前にそっと元に戻してしまいました。

深い海の底には、金属を含んだ塊がたくさん広がる場所があります。

そのひとつ「クラリオン・クリッパートン断裂帯」は、世界最大の深海鉱物探査海域です。

この海底の泥には独特な微生物の群れが暮らしていますが、彼らに取りつくウイルスについては、ほとんど分かっていませんでした。

そこで研究チームは、この海域の海底からウイルスのゲノム(遺伝情報)を集め、大規模なカタログを作り上げました。

採掘候補の海の底には、いったいどんなウイルスが潜んでいたのでしょうか。

研究の詳細は、2026年9月29日付で学術誌『Nature Communications』に掲載されました。

Viral diversity and ecological functions in the world’s largest deep-sea mineral exploration region (Nature Communications) https://doi.org/10.1038/s41467-026-78161-0
Viral diversity and ecological functions in the world’s largest deep-sea mineral exploration region https://doi.org/10.1038/s41467-026-78161-0

金属の塊が眠る海底と、知られざる微生物たち

金属の塊が眠る海底と、知られざる微生物たち
金属の塊が眠る海底と、知られざる微生物たち / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

クラリオン・クリッパートン断裂帯の海底には、価値の高い鉱物を含む「多金属ノジュール」と呼ばれる塊が広がっています。

ノジュールとは、いくつもの金属を含んだ、こぶのような塊のことです。

こうしたノジュールが広がる海域の海底には、ほかの場所とは違う独特な微生物の群れが暮らしています。

主役となるのは、細胞の中に核を持たない小さな微生物、いわゆる「原核生物」です。

そして、その原核生物たちを左右する存在が、彼らに取りつくウイルスです。

ところが、この海底でどんなウイルスが暮らしているのかは、これまでほとんど分かっていませんでした。

金属の塊に恵まれた深海の生態系で、ウイルスがどんな役割を担っているのかも、はっきりしていなかったのです。

将来、採掘による環境への影響を評価しようにも、もとの姿が分からなければ比べる物差しがありません。

そこで研究チームは、この海域の海底からウイルスのゲノムを集めたデータセットを作り、その多様さと生態系での働きを調べました。

解析では、ウイルスどうしが共通して持つタンパク質を手がかりにつないだ網の目(ネットワーク)と、進化の系図をたどる系統解析を組み合わせています。

さらに、それぞれのウイルスがどの微生物に感染するのかを推定し、ウイルスと微生物の間で遺伝子がやり取りされた跡も調べました。

こうして浮かび上がってきた海底のウイルスは、どんな顔ぶれだったのでしょうか。

次ページ採掘候補の海底のウイルス、既存のデータベースに載っていたのはどれだけ?

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