金属の塊が眠る海底と、知られざる微生物たち

クラリオン・クリッパートン断裂帯の海底には、価値の高い鉱物を含む「多金属ノジュール」と呼ばれる塊が広がっています。
ノジュールとは、いくつもの金属を含んだ、こぶのような塊のことです。
こうしたノジュールが広がる海域の海底には、ほかの場所とは違う独特な微生物の群れが暮らしています。
主役となるのは、細胞の中に核を持たない小さな微生物、いわゆる「原核生物」です。
そして、その原核生物たちを左右する存在が、彼らに取りつくウイルスです。
ところが、この海底でどんなウイルスが暮らしているのかは、これまでほとんど分かっていませんでした。
金属の塊に恵まれた深海の生態系で、ウイルスがどんな役割を担っているのかも、はっきりしていなかったのです。
将来、採掘による環境への影響を評価しようにも、もとの姿が分からなければ比べる物差しがありません。
そこで研究チームは、この海域の海底からウイルスのゲノムを集めたデータセットを作り、その多様さと生態系での働きを調べました。
解析では、ウイルスどうしが共通して持つタンパク質を手がかりにつないだ網の目(ネットワーク)と、進化の系図をたどる系統解析を組み合わせています。
さらに、それぞれのウイルスがどの微生物に感染するのかを推定し、ウイルスと微生物の間で遺伝子がやり取りされた跡も調べました。
こうして浮かび上がってきた海底のウイルスは、どんな顔ぶれだったのでしょうか。






















