太陽がガスを「粒」で吐き出すと、惑星に何が起きるのか
研究チームは、この考えをコンピューターの中の太陽系で試しました。
今の木星・土星・天王星・海王星を置き、太陽が年老いて軽くなっていく過程を計算でたどったのです。
まず、ガスがなめらかに抜けていく場合を、条件を変えて60回以上計算しました。
結果はどれも同じで、4つの惑星の軌道がそろって約1.85倍に広がっただけでした。
太陽の重さが今の約54%まで減るぶん、軌道が外へ広がるのです。
並びも公転の周期の比も今のままの「拡大コピー」で、その後数十億年分を計算しても何も起きませんでした。
次に、ガスをかたまりで放り出し、それが太陽の晩年を通して続く設定に変えました。
観測と合う標準の設定では、1回に飛び出す量は太陽の重さの1万分の1ほどで、回数は約4600回になります。
そのたびに太陽は反動で押され、速さの変化は真ん中の値で秒速7mほどです。
時速にすると約25kmで、自転車を少し飛ばしたくらいの速さにすぎません。
ところが、向きのばらばらな一押しが数千回重なると、惑星の軌道は千鳥足のようにふらつき始めます。

きれいな同心円に近かった並びは、つぶれた楕円や、順番の入れ替わった配置へと散らばっていきます。

この設定では、計算の約40%で、太陽が白色矮星になる前に並びが壊れるか、惑星が激しくはじき合いました。
太陽の死と同じ時期に太陽系の外側が崩れることが、珍しくなかったのです。
いちばん早い例では、太陽がまだ赤く大きな星(赤色巨星)で、今の89%の重さを残しているうちに、軌道が交わりました。

ある計算では、白色矮星ができてから250万年以内に、土星がはじかれて太陽系の外へ飛び去りました。
残された天王星と海王星は、公転の周期が2対1になる関係に固定されました。
別の計算では、約12億年後に天王星と海王星の順番が入れ替わり、約13億年後に海王星が放り出されています。

ガスの出方がなめらかなら無傷で、向きのばらばらな粒になると崩れうるという、はっきりした違いが出たのです。




