「水金地火木土天海」は太陽の死で崩れる――惑星の並びが壊れる仕組みを発見
「水金地火木土天海」は太陽の死で崩れる――惑星の並びが壊れる仕組みを発見 / NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線でとらえた、らせん星雲です。 Credit: NASA/JPL-Caltech/Univ. of Ariz. / Wikimedia Commons(Public domain)
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2026.10.15 18:00:00 Thursday

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太陽がガスを「粒」で吐き出すと、惑星に何が起きるのか

研究チームは、この考えをコンピューターの中の太陽系で試しました。

今の木星・土星・天王星・海王星を置き、太陽が年老いて軽くなっていく過程を計算でたどったのです。

まず、ガスがなめらかに抜けていく場合を、条件を変えて60回以上計算しました。

結果はどれも同じで、4つの惑星の軌道がそろって約1.85倍に広がっただけでした。

太陽の重さが今の約54%まで減るぶん、軌道が外へ広がるのです。

並びも公転の周期の比も今のままの「拡大コピー」で、その後数十億年分を計算しても何も起きませんでした。

次に、ガスをかたまりで放り出し、それが太陽の晩年を通して続く設定に変えました。

観測と合う標準の設定では、1回に飛び出す量は太陽の重さの1万分の1ほどで、回数は約4600回になります。

そのたびに太陽は反動で押され、速さの変化は真ん中の値で秒速7mほどです。

時速にすると約25kmで、自転車を少し飛ばしたくらいの速さにすぎません。

ところが、向きのばらばらな一押しが数千回重なると、惑星の軌道は千鳥足のようにふらつき始めます。

太陽がガスを失っていくあいだの、隣り合う惑星の公転周期の比の移り変わりです。黒い線がなめらかにガスが抜ける場合、色のついた線がかたまりで放り出す場合(色は1回に放り出す量の違い)で、黒い線は比が変わらないのに対し、色の線はばらけていきます。
太陽がガスを失っていくあいだの、隣り合う惑星の公転周期の比の移り変わりです。黒い線がなめらかにガスが抜ける場合、色のついた線がかたまりで放り出す場合(色は1回に放り出す量の違い)で、黒い線は比が変わらないのに対し、色の線はばらけていきます。Credit: Batygin et al., The Astrophysical Journal Letters (2026)(CC BY 4.0)

きれいな同心円に近かった並びは、つぶれた楕円や、順番の入れ替わった配置へと散らばっていきます。

ガスの放出が終わった時点の、惑星の軌道の例です。左上がなめらかにガスが抜けた場合で、段を追うごとに1回に放り出す量が多くなり、それぞれにその後の結末が書き添えられています。見た目が整っている並びでも、のちに崩れる例があります。
ガスの放出が終わった時点の、惑星の軌道の例です。左上がなめらかにガスが抜けた場合で、段を追うごとに1回に放り出す量が多くなり、それぞれにその後の結末が書き添えられています。見た目が整っている並びでも、のちに崩れる例があります。Credit: Batygin et al., The Astrophysical Journal Letters (2026)(CC BY 4.0)

この設定では、計算の約40%で、太陽が白色矮星になる前に並びが壊れるか、惑星が激しくはじき合いました。

太陽の死と同じ時期に太陽系の外側が崩れることが、珍しくなかったのです。

いちばん早い例では、太陽がまだ赤く大きな星(赤色巨星)で、今の89%の重さを残しているうちに、軌道が交わりました。

ふくらんだり縮んだりを繰り返している赤色巨星、ちょうこくしつ座R星です(太陽とは別の星です)。
ふくらんだり縮んだりを繰り返している赤色巨星、ちょうこくしつ座R星です(太陽とは別の星です)。Credit: ESO/M. Wittkowski (ESO) / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

ある計算では、白色矮星ができてから250万年以内に、土星がはじかれて太陽系の外へ飛び去りました。

残された天王星と海王星は、公転の周期が2対1になる関係に固定されました。

別の計算では、約12億年後に天王星と海王星の順番が入れ替わり、約13億年後に海王星が放り出されています。

並びが崩れていく4つの例です。それぞれ、惑星の軌道の大きさと、太陽に最も近づく距離から最も遠ざかる距離までの幅を、時間を追って描いています。崩れた時期は、ガスを失っている最中、白色矮星ができた直後、約2億年後、約12億年後とさまざまです。
並びが崩れていく4つの例です。それぞれ、惑星の軌道の大きさと、太陽に最も近づく距離から最も遠ざかる距離までの幅を、時間を追って描いています。崩れた時期は、ガスを失っている最中、白色矮星ができた直後、約2億年後、約12億年後とさまざまです。Credit: Batygin et al., The Astrophysical Journal Letters (2026)(CC BY 4.0)

ガスの出方がなめらかなら無傷で、向きのばらばらな粒になると崩れうるという、はっきりした違いが出たのです。

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