「簡単で正確でスピーディに」実用化への道のり
ですが、鶏舎の中で毎日手軽に使用できる方法を見つけることが次の課題でした。そこでブレロー氏は、オランダのHatchTech社にアプローチ。アインスパニエル氏が開発した検査を一貫して自動で行う装置の開発を依頼しました。
その条件は、簡単に使えて、拡張可能で、柔軟で、正確で、かつ衛生的であること。また、何と言ってもスピーディーさは不可欠。卵は孵卵器を2時間以上離れることができないからです。
そして最大の課題は、卵にダメージを与えることなく、どうやって中の液体をすばやく抜き取るかということでした。針を刺して中の液体を採取する方法では、卵が傷つくばかりか、衛生的にも問題があります。
そこで研究チームは、卵の殻にレーザー光線を照射し、直径0.33ミリメートルの穴を開けることを考えつきました。殻の外側から空気圧を与えると、開いた穴から中の液体が少量押し出されます。
処理に要する時間は、卵1個につきわずか1秒という速さです。試作を繰り返したところ、卵に指一本触れることなく、中の液体を採取することに成功。何の問題もなく、見事に性別を見分けることができました。