幻に終わった『デューン』
実は、小説の発表以来、映画化の話は何度もあったのですが、どれも陽の目を見ることができませんでした。中でも一番有名なのは、『エル・トポ』を制作したアレハンドロ・ホドロフスキー監督による映画化。
キャストには、サルバドール・ダリやオーソン・ウェルズ、ミック・ジャガーなど錚々たるメンバーを予定しており、絵コンテまで仕上がっている状態でした。しかし、撮影開始直前にハリウッド側とトラブルを起こし全面中止。
映画化中断の経緯は、『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリー作品として世に出され、絵コンテや監督による裏話も聞くことができます。これを観ただけでも、監督がいかに壮大なブループリントを脳内に描いていたのかがよく分かります。ホドロフスキーの「デューン」構想は、『スター・ウォーズ』の制作にも多大な影響を与えているほどで、未完の超大作となってしまいました。