あのリンチ監督でも遠く及ばず…
その後、イタリアのプロデューサーが映画化の権利を買い、監督として白羽の矢が立ったのがデヴィッド・リンチ監督でした。しかし、流石のリンチ監督も、制作側の厳しい条件に苦しめられ、のびのびと制作できなかった様子。
1984年の完成した本作も、原作の長大な物語を語るには、あまりにも多くの部分が削ぎ落とされすぎており、断片をつなぎ合わせた紙芝居のような印象を受けます。実際、リンチ監督自身も「デューンは失敗作だ」と認めており、興行的にも惨敗。『デューン』は再び、映画史の闇へと沈んでいきました。
ちなみに、ホドロフスキー監督は、自分が完成させられなかった『デューン』を、才能あるリンチ監督が仕上げたと聞き大ショック。しかし、息子に無理やり連れて行かされて観た『デューン』があまりにもひどい出来だったので、大喜びしたそうです。