カルト映画の帝王デヴィッド・リンチ監督をご存知ですか?彼のフィルモグラフィーの中で、1番に思い付く作品は?
…と聞かれて「デューン/砂の惑星!」と声高らかに答える人が何人いるでしょうか。というより「そんなのあったっけ?」という方も多いのでは。大半の方は、リンチ作品に特有の悪魔的イメージが展開される『イレイザーヘッド』や『ツイン・ピークス』『ブルー・ベルベット』『マルホランド・ドライブ』辺りを挙げるでしょう。
世間的にも『デューン/砂の惑星』は失敗作だと謳われていますが、劇中に登場する惑星のビジュアルや巨大なワームの造形など、リンチ監督のイメージが存分に炸裂している様子がうかがえます。一部のファン層ではカルト化もしている作品なのです。
『デューン/砂の惑星』とは?
原作は、1965年に発表されたフランク・ハーバートの同名SF小説『デューン/砂の惑星』。
舞台となるのは、通称「デューン」と呼ばれる砂の惑星アラキス。デューンは、抗老化作用のある希少な香辛料「メランジ」が採取できる唯一の惑星であり、これを手に入れると宇宙を支配することのできる力を得られるのです。そして、デューンの支配権をめぐって、公家である「アトレイデ家」と「ハルコンネン家」が争い合うというストーリー。
小説自体は、「水をめぐる環境問題」や「宗教的な精神世界」を扱った非常に高密度な作品であり、、ヒューゴー賞およびネビュラ賞を同時に獲得しているほどの名作です。