排泄のメカニズム
しかしシカゴ大学の海洋生物学者であるシドニー・タム氏の研究により、排泄の仕組みが明らかになってきました。
タム氏は、「ムネミオプシス・レイディ」の透明な体内を観察するために、「微分干渉顕微鏡」という透明の物質のコントラストを高めて可視化できる特殊な器具を使用しました。
すると、「ムネミオプシス・レイディ」の肛門は、排泄時にのみ現れることが判明したのです。排泄物がこの生物の体内経路を通ると、肛門付近に蓄積します。そして、膨らんだ体内からの圧力によって肛門が開口し、そこから、体表面が圧縮することで、排泄物がポンッと体外に排出されるのです。
排泄後に入口がなくなる肛門は異例で、タム氏によると、「ムネミオプシス・レイディ」以外には存在していません。