脳は思考のトレースが強い方を選択する
研究をおこなったジョエル・ピアソン教授は、「私たちはどれを選ぶべきかといった2つ以上の選択を迫られたとき、ある種の幻覚のような無意識の思考がすでに脳を巡っています」
「脳が決定を下すとき、脳の主要なエリアは思考の痕跡が強い方を選び出します。それはつまり、事前の脳の活動が意思決定に則していたとしたら、あなたはその活動によってブーストされた選択肢を選ぶ傾向があるということです」と語っています。
この実験から得られた洞察は、PTSDのような精神疾患の理解を深めるきっかけにもなるかもしれません。とはいえ研究者らは、すべての選択が事前の脳の活動によってすでに決められたものであると考えることに対しては、注意が必要であると述べています。
ピアソン教授は、「この結果は、すべての選択が無意識のイメージによって先立っておこなわれていることを保証するものではありません。しかし、そうしたメカニズムの存在を示していることは確かであり、これが私たちの日常における選択にバイアスをかけている可能性があります」と語っています。