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触れるだけで危険な「ストレンジ物質」、その名を裏切らないキテレツさ (4/6)

2019.05.18 Saturday

前ページ「ストレンジクォーク」は宇宙一の変わり者

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ストレンジレットがぶつかった星は「ストレンジ星」へ変化

ストレンジ物質にちょっとでも触れた物質は、ストレンジ物質の安定性の影響を受け、自らもあっという間にストレンジ物質に変化する。
物資と構成していた陽子と中性子はばらばらに切り離され、クォークのお風呂を作る。クォーク物質はエネルギーを放出しながら、さらに多くのストレンジ物質を作り出す。
ストレンジ物質を取り除く唯一の手段は、ブラックホールの中に投げ込むことだけだ。といっても、ストレンジ物質は中性子星の内部に存在するので、「ストレンジ物質なんて心配ないさ〜」と呑気に考える人もいるかもしれない。
でも、中性子星が他の中性子星やブラックホールと衝突したとしたらどうだろう?衝突時に中から吐き出される大量の物質の中に、「ストレンジレット」と呼ばれるストレンジ物質のかけらが混じっている可能性があるのだ。

ストレンジレットは、中性子星の中心と同じくらい密度が高く、亜原子粒子と肩を並べるほど小さい可能性もあれば、ロケットほどの大きさを持つ可能性もある。

吐き出されたストレンジレットは、他の物質にたまたま衝突するまで、銀河を長い間飛行しつづける。

もしストレンジレットが地球に衝突したとしたら、瞬時に地球の表面は瞬く間にストレンジ物質で覆い尽くされるだろう。ストレンジ物質への変換が進めば進むほど、ストレンジ物質はますます巨大化する。最終的には、地球を構成するすべての原子がストレンジ物質に変化し、地球は小惑星サイズの小さな塊へと姿を変える。
また、ストレンジレットが太陽にぶつかったとしよう。まるで乾燥した森を火が見る見るうちに飲み込むように、太陽はたちどころにストレンジ星に変貌するだろう。この時、太陽はその明るさをかなり失うはずだ。太陽の光と熱を失った地球はたちまち凍りつき、死の大地と化すだろう。手をこまねいている場合ではない。
想像しただけで恐ろしいストレンジレットだが、残念ながら私たちは、それが近くに迫っていてもそれに気づくことができない。ウイルスを目で見ることができないのと同じだ。
しかも、ストレンジレットはそれほど珍しいものではなく、銀河中に存在するの星の数よりも多いという説も存在する。

次ページストレンジレットの正体はダークマターかも!?

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