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触れるだけで危険な「ストレンジ物質」、その名を裏切らないキテレツさ

2019.05.18 Saturday

「ストレンジ物質」という物質をご存知だろうか?その名のとおり、ストレンジ(奇妙)な物質だ。

あらゆる天体を崩壊させうると言われる「ストレンジ物質」について、科学系YouTubeチャンネルKurzgesagが分かりやすいアニメーションを公開している。その内容をかいつまんで紹介しよう。

中性子星とは?

中性子星とは、密度が非常に高い天体の一種で、ブラックホールでないもののことだ。中性子星の中心には、宇宙一デンジャラスなストレンジ物質が存在するかもしれない。

ストレンジ物質は、宇宙の法則をねじ曲げ、触れたものすべてに感染して破壊してしまう危険極まりない物質なのだが、それと同時に、宇宙の紀元について私たちに教えてくれる存在でもある。

ストレンジ物質を理解するには、まずその基本的な仕組みを知ることが不可欠だ。そもそも、中性子星とは何だろうか?また、ストレンジ物質は一体どうやって宇宙の法則を変えるのだろうか?

中性子星は、質量の大きな恒星が、寿命を迎える時に起こす超新星爆発の後の状態のことだ。大爆発を起こした恒星の核は、それ自体の重力によって内向きに強く引っ張られることで崩壊する。この時に生まれる力は凄まじく、粒子を中心に向かってぐいぐい押し込む。おしくらまんじゅう状態になった電子と陽子は、一体化して中性子へと変化するのだ。
原子内部は一瞬にして、お互いに近づきたくはないが、近づかざるを得ない粒子で満たされる。粒子は重力に抵抗して、崩壊を免れようと必死にもがく。重力と粒子のせめぎ合いの末に、重力が勝てばブラックホールが、粒子が勝てば中性子星が誕生するのだ。

中性子星は、都市ほどの大きさを持ちながら、太陽級の質量を持つ巨大原子核に例えることができる。その中では、摩訶不思議な現象が繰り広げられる。

核物理学のルールが180度ひっくり返った世界…この環境こそが、超危険なストレンジ物質を生み出す。

次ページクォーク物質でできた「クォーク星」

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