■様々な生物のパーツを寄せ集めた「キメラ」のような生物の化石がコロンビアで発見される
■似た生物の化石がアメリカやモロッコでも見つかっており、この生物の高い環境適応能力が示された
■これはカニがかつて進化を迷走し、体のプランを変え続けた結果生まれた生物であると考えられる
ギリシャ神話に登場する「キマイラ」は、ライオンの頭を持ち、ヤギの胴体、そして毒蛇の尾を持つ怪物であり、「キメラ(合成獣)」の語源となったものだ。
コロンビアで見つかった化石から、恐竜の時代にごたまぜの体を持ったキメラのような生物が実在していたことが分かった。
Exceptional preservation of mid-Cretaceous marine arthropods and the evolution of novel forms via heterochrony
白亜紀のキメラ
「複雑で美しいキメラ」という意味を持つ「Callichimaera perplexa」と名付けられたその生物は、エビのような口、アサヒガニのようなハサミ、ロブスターのような甲羅、ウミサソリのようなパドル状の足を組み合わせた姿をしていたと考えられている。
注目すべきはその「目」の大きさで、人間でいえばサッカーボールほどの巨大なものであったとのこと。そうした目やパワフルなハサミは、狩りのために用いられていたと考えられ、彼らは濾過摂食者ではなく、むしろアクティブな捕食動物であったと推測されている。
コロンビアのアンデス山脈高地の町で、最初にCallichimaera perplexaの化石が見つかったのは2005年のこと。発見したイェール大学とアルバータ大学の博士研究員であるJavier Luque氏は、化石について、「カニのようにも見えたけど、どちらかと言うとクモに近いと思いました」と語っている。