「脱線」から始まると心理的にプラス⁈
研究チームは同大学の学部生およそ1000人に協力してもらい調査を実施。うつ病と脱線病に関するアンケート調査を1年間に4度行なっている。
その結果、学生たちのアンケート・スコアは年間を通して比較的安定していたと同時に、うつ病と脱線病との間にある相関関係も発見された。
4度の調査の内、早い段階でうつ病の高いスコアを記録した学生は、その後の調査で脱線病のスコアも高くなることが判明した。ところが逆に、早い段階で「脱線病」の高いスコアを記録すると、その後うつ病の症状が下降傾向に至ることが分かったのだ。
つまり、最初にうつ病傾向があると連鎖して脱線病を発症する確率が高くなるが、反対に脱線病からスタートするとうつ病を抑制できるというのだ。
ラトナー氏はこの説明として「早期的な脱線病により、心理的に苦痛を与える人間関係や達成目標から一度身を引くことで、長期的にはメンタル面にプラスに働く可能性がある」と指摘している。
今回の調査は学生に限定して行われたものであるため、結果を断言するには早いという。今後、対象者の年齢層や試験期間の幅を広げることで精密な調査を行う予定だ。