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ヒトと交流するために進化? オオカミにはないイヌの表情 (2/2)

2019.06.18 Tuesday

前ページあざと可愛いイヌたちの進化

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イヌはもっとヒトと仲良くなりたい

イヌがヒトと暮らし始めたのは、およそ33000年ほど前からだと言われている。

つまりこうした表情筋の変化は、たった3万年の間に起こったということだ。

解剖学的には、筋肉の構造は通常の進化では非常にゆっくりと変化していくものと考えられている。しかし、筋肉を含めた柔らかい組織は化石としては残らないため、こうした部分の進化の過程については研究することは非常に困難だ。

今回の研究報告は筋肉の進化が、数万年という非常に短い期間で起こっていることを示しており、とても興味深い事例だといえる。

ヒトと共に生きるイヌにこうした変化が起こったということは、表情が豊かなイヌほど、より人間に愛され大切に育てられた証だろう。

この研究は、ヒトとイヌが共に生きるようになったメカニズムを理解するためにも、重要な知見をもたらしてくれている。

また、ヒトは表情の他に、目の白い部分がはっきりわかる個体を好む傾向があるという。視線の動きがはっきり読み取れることは、ヒトがコミュニケーションにおいて重要視している要素の1つなのかもしれない。

イヌに見られる顔面の筋肉は、この白目部分を露出させるのにも役立っており、ヒトとイヌの絆を強めるもう1つの要因になっていると考えられている。

今回の発見は、人の注意を引く上で、表情が如何に重要であるか、社会的な交流において表情というものがいかに強力な道具であるかということも示している。

あまり人から好意を向けてもらえないという人は、ひょっとしたら常に無表情を貫いていることが原因の可能性もある。

こうした表情筋の発達が生存戦略だと考えると、若干あざといようにも感じてしまうが、イヌはヒトと円滑にコミュニケーションをとってより仲良くなる道を選んだ動物ということなのかもしれない。

イヌが可愛いことにはちゃんと理由があったのだ。

もはや第六感。犬は時間を「匂い」で認識していた

reference:phys,theguardian/written by KAIN

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