初期宇宙の謎に迫る発見
通常、降着円盤の物質は太陽の周りを回る地球のように、回転する力が中心へ落ちる力と釣り合っているため、容易にはブラックホールに飲み込まれません。
そのため、巨大な恒星を次々に高速で生み出す活動銀河の核となる超大質量ブラックホールは、数10億年単位の非常に長い時間を費やさなければ誕生できないと考えられてきました。
ところが現在の宇宙の状態から考えると、活動銀河はビッグバン発生から10億年程度の初期宇宙には、既に存在していないとおかしいのです。
この2つの理論は矛盾していて、多くの天文学者たちの悩みの種になっていました。
しかし、ブラックホールの降着円盤が今回の発見のように内側と外側で異なる回転方向を持つケースが存在するとなると話は変わってきます。
こうした場合、降着円盤のガス流はかなり不安定な状態になり、物質は通常よりもずっと速くブラックホールへ落ちていくことになります。すると従来の予想よりも遥かに短い時間で、超大質量ブラックホールを形成することが可能になるのです。
この逆回転するブラックホールの発見は、初期宇宙における大きな謎を解決する手がかりになるかもしれません。
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