Point
■世界最小サイズの医療用カメラが開発された
■高解像度、広画角、被写界深度3〜30mmを備え、狭い領域での微細な被写体の撮影に適している
■消費電力が低く熱を発生しにくいため長時間の手術に適しており、患者が感じる不快感を軽減できる
0.65 x 0.65 x 1.158mmサイズの医療用カメラが、世界最小サイズのカメラとしてギネス記録に認定されました。
開発したのは、米カリフォルニア州を拠点とするOmniVision Technologies社。カメラの内部には、「OmniVision OV6948」と名付けられたさらに極小サイズ(0.575 x 0.575 x 0.232mm)のセンサーが搭載されています。
なんと血管の中も通れるようで、医療業界に革命をもたらすと期待が集まっています。
小さくても超高性能
OmniVision OV6948は、RGBベイヤー配列(赤・緑・青の3つの現職を混ぜて色を再現する)の裏面照射型チップを用いて、4万画素のカラー画像を撮影可能。各フォトサイトは幅わずか0.00175mmという小ささです。
カメラは、ヒトの微細静脈をばっちり捉えることができるほどの解像度を備え、病気の診断や外科手術において医師をサポートできる代物。
従来こうした手術が、解像度が大幅に低い光ファイバー端子を用いるか、あるいは視覚に頼らずに行われてきたことを考えれば、大きな進歩です。
OmniVision OV6948は秒速約9メートルの速度で画像を捉え、最大4メートル離れた地点に出力が可能です。また、画角は120°、被写界深度(写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲)は3〜30mmと、狭い領域での微細な被写体の撮影にはもってこいです。