上の写真は、インド東部に位置する都市チェンナイの海岸で撮影された一枚。一足先に雪が降ったのかと思いきや、これは雪ではなく、すべての泡だそうです。
先月末から発生している大量の白い泡は、4日目となる今月2日になってもまったく消える気配がありません。
さらに、専門家の話によると、「泡は刺激臭が強く、有害な物質を多分に含んでいるため触れるべきではない」とのことです。
しかし、地元衛生局の注意に反し、泡の中で戯れる子供たちや観光客が増え続けています。
泡の正体は未処理の汚染水
泡が発生しているのは、インド国内でも有数の大きさを誇るマリーナビーチで、日に数万人を越える観光客や地元民が同地を訪れています。泡の発生は今回が初めてではなく、雨期になると毎年あらわれますが、特に今年は量が多いそうです。
専門家の調査によると、泡の正体は、川から海に流れ込んだ廃棄汚染水や肥料、下水などで、細菌や有害な化学物質を多く含んでいます。他に、洗剤の残りが大量に確認されており、これが泡を発生させていました。
特に今年の泡が多いのは、最近降った大雨の影響により、例年以上に大量の汚染水が海に流れ込んだせいだと見られます。
泡は、皮膚へのダメージや体内への細菌混入が考えられ、すでに地元漁師たちには、海に出ないようにとの指示が出ています。しかし、浜辺の子供たちは聞く耳もたずの様子。
チェンナイを含むインド国内の大都市では、廃棄汚水のおよそ4割ほどしか適切に処理されておらず、残りはすべて海や川に捨てられています。
海の怒りが大量の泡に姿を変えて、海岸に押し寄せているのかもしれません。