- 実験により、自分の中で2番目に良いと思えるアイデアをが他の人からは最も高い評価を得ることが分かった
- 人は具体性を重視する傾向があるため、最初の段階で最良だと思えるアイデアは独創性に欠ける
- 創作時間が少ない時は具体性を重視し、創作時間が多い時は抽象性を重視することが最良の成果を出すためのポイントとなる
世のクリエイターたちは常に、「どのアイデアが一番優れているのか」という疑問と戦い続けています。アイデアのすべてを作業に移すことはできません。客観的に考え、「評価される独創的なアイデア」を選ばなければいけないのです。
この点で、スタンフォード大学ビジネス大学院経営大学助教ジャスティン・M・バーグ氏が有用な実験結果を提出しました。クリエイターたちが提案してくるアイデアの中で、最も評価されるのは、「クリエイターが1番良いと感じたアイデアではなく、2番目に良いと感じたアイデア」なのだそうです。
研究の詳細は、「Organizational Behavior and Human Decision Processes」に掲載されました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749597818308124?via%3Dihub
独創性評価の実験
バーグ助教は複数のクリエイターに「新しいフィットネス機器の設計」や「自動車の運転中に眠ってしまわないようにする方法」などのクリエイティブなプロジェクト取り組むよう依頼しました。
クリエイターたちは3つのアイデアを考え出し、独創的な観点でそれぞれのアイデアをランク付けするように求められました。そして、実際にそれらのアイデアの1つを完成させて提出します。つまり、クリエイターたちは、いつもの仕事と同じ思考パターンでこの実験に参加したのです。
そして、それぞれのアイデアに対する専門家と消費者の評価ランキングを集め、比較しました。
結果は次の通りです。
- 短時間でアイデアを捻出しなければいけない場合、クリエイターのランキングと評価ランキングは一致しました。
- 提出までに時間があり、アイデアを十分に練ることができた場合は、クリエイターのランキングで2位のものが、評価ランキングの1位となりました。