- 子供の死亡率は年々低下している
- 子供の死亡率低下には、貧困家庭の減少や医療技術の発達、識字率の増加などが関係している
日々流れる紛争や犯罪のニュースを見聞きすると、「世界はどんどん悪い方向に向かっている」と思いがちです。では、私たちにとって2019年は問題の多い年だったのでしょうか?
「The New York Times」誌によると、2019年は世界の子供たちの死亡率が最低であると予想されています。ある観点から見れば、2019年は史上最高の年だと言えるかもしれません。
This Has Been the Best Year Ever For humanity over all, life just keeps getting better.
https://www.nytimes.com/2019/12/28/opinion/sunday/2019-best-year-poverty.html
子供の死亡率は年々下がっている
子供の死亡率は年々低下しています。
1950年には子供たちの27%が15歳になるまでに死亡していましたが、今年はその数字が4%にまで低下。その理由には、貧困家庭の減少、医療技術の進歩、識字率の向上などが挙げられるでしょう。
1日約2ドル未満の貧困生活を送っている人は、1981年には地球の人口の42%でしたが、2015年には10%までに低下しています。
1990年には下気道感染症によって5歳未満の子供たちが230万人も死亡していましたが、2016年には死亡率を半分以下に抑えることが出来ています。同様に、下痢性疾患の死亡人数も170万人から3分の1以下に減少しました。
世界の識字率の向上も、子供の死亡率低下に貢献しています。実際に、女性の識字率が高いと5歳以下の子供の死亡率が低くなると報告されているのです。
1820年には、読み書き可能な14歳以上の人は世界でたったの10%程度でしたが、現在では約85%にもなっています。
「The New York Times」誌のコラムニストであるニコラス・クリストフ氏は、次のように述べています。「世の中にはたくさんの問題があるので、今が史上最高の年とすることを不快に感じるかもしれない。しかし、過度に悲観的になるなら、絶望と無力感に囚われてしまう」
世界中には改善すべき問題が山積みですが、人類が成し遂げてきた良い点にも注目して、積極的な見方を保つことは大切です。