使わない物を積み上げる「買いだめ障害」
物がなかなか捨てられずに片付けが進まないという経験は、多くの人々が共有するものとなっています。
遊園地の半券や苦労して手に入れた商品の箱など、他人にとっては価値がないものでも、思い入れや当時の記憶を懐かしんで「自分にとっては大切なモノ」と保管しておく人は珍しくありません。
また、お気に入りの本や漫画を2冊以上購入し1冊は「保管用」として読まずに保管する人もいるでしょう。
あるいは、プレイするアテのないゲームでもとりあえず「所有」したいとの思いから、何作品も積みゲーにしている人も多いはずです。
しかし一部の人々は、それら保管や所有を自らの限界を超えて続けてしまうことが知られており、医学的に「買いだめ障害」と認識されることがあります。
買いだめ障害が深刻化すると多くの場合、家がゴミ屋敷のように物品で覆われてしまいます。
また買いだめ障害の対象が本やゲームではなく猫などの生き物になってしまうと「多頭飼育崩壊」を引き起こし、最終的に殺処分などの悲劇を招いたケースも報告されています。
そこで、アングリア・ラスキン大学の研究者たちは「買いだめ障害」の背後に潜む精神病理を解明することにしました。