1月17日、バリ島近海にて、アビス・ダイビングスクール・バリが撮影した魚の群れの動画が話題になっています。
思わず「ぞわっ」としてしまう動画ですが、正体はゴンズイという魚の稚魚。
ゴンズイの稚魚は、「ゴンズイ玉」とも呼ばれる約100匹以上の群れを作り、口を海底に擦り付けながらエサである小さな甲殻類や軟体動物や小魚を探します。
彼らが群れを作る理由は、他の魚と同じように、姿を大きく見せて捕食者に食べられないようにするためです。
しかし、彼らには実はもう1つ特殊な理由があります。
ゴンズイの背びれと胸ビレの1番目の骨にはそれぞれ毒がありますが、稚魚の段階ではそれほど沢山の毒を作れません。
しかし群れを作ることで、群れに突入してくる捕食者に対して集団での毒攻撃ができるようになるのです。
ダイビングスクールなどでは、面白半分で群れに手を突っ込まないように警告しています。
動画の下の方をよくみると、稚魚たちが入れ代わり立ち代わり、海底の泥に順番に顔をつけているのがわかります。
これはエサを探すためです。
ゴンズイは、英語では「ストライプ・キャットフィッシュ」(縞模様のネコ魚)とも呼ばれ、口の周りにはえたヒゲがネコのように見えることからついた名前なのだとか。
このヒゲはセンサーになっており、泥の中のエサを探すのに役立つようです。
では、ゴンズイの群れは常に海底を這い続けているのでしょうか?
ゴンズイが群れを作るワケはちょっと特殊
ゴンズイの群れは常に海底を這っているわけではなく、上の映像のように極端な球状になることがあります。
この状態になるのは、群れが捕食者に狙われるなどして、一種のパニックに陥っているからです。
群れは動画の撮影者に反応して一旦、球状になりましたが、3分ほどすると、また海底を這い始めました。
このように、複数の個体が同時にパニックに陥るのは、群れに対する脅威を自分への脅威だと認識して、行動を連携させているからです。
群れの様子から魚の心理を考えてみるのも、面白いかもしれません。
タイトル・記事内容で魚の名前を「ウナギナマズ」としていましたが、「ゴンズイ」に修正し、再送しております。