- タバコの吸い殻からも有害物質が空気中に放出されていることがわかった
- 温度が上がるほど、有害物質の排出量が増えるため、夏場の吸い殻の破棄は重要
これまでタバコの健康に与える影響の研究は主に、喫煙中に発せられる煙に対して行われていました。
一方で、喫煙後の吸い殻が強い匂いを発することは知られていても、成分の分析などの研究は盲点になっていました。
そこで今回新たに、タバコの吸い殻だけに注目した研究が行われた結果、タバコの吸い殻からも有害物質が空気中に放出されていることがわかりました。
研究内容はアメリカ国立標準技術研究所の研究者Dustin Poppendieckらによって「Science of The Total Environment」のボリューム712に掲載される予定です。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969719364186?via%3Dihub
吸い殻からも有害物質が出ていた
調査にあたっては、まず2100本のタバコが消費され、新鮮な吸い殻として検出器にかけられました。
もちろん研究者たちが自分で吸ったわけではありません。
大量の新鮮な吸い殻をつくるためには、一度に6本が吸える吸引装置付きのロボットが用いられました。
そうして得られた吸い殻の分析を行った結果、吸い殻からは、米国食品医薬品局(FDA)が有害と考えている4つの化学物質(スレチン・2-メチル-2-シクロペンテン-1-オン・ナフタレン・トリアセチン)及びニコチンが空気中に放出されていることがわかりました。