美味しさの鍵は化学反応にあった!
近年、コーヒーの健康効果について様々なポジティブな報告がされています。
苦手という人はともかく、嫌いでないなら習慣として楽しむのはいい選択になるかもしれません。
とはいえ、ただ飲むだけでは楽しくありません。美味しい淹れ方について理解できれば、コーヒーに凝って日常の趣味の1つに加えることができるかもしれません。
コーヒーの美味しさを決めているのは、単純に私たちの舌だけではありません。
香りも重要な要素であり、十分な要素を引き出すためには化学の法則がしっかりと働いています。
コーヒー豆には1000種類以上の化学成分が含まれており、そのバランスが風味を決定しているのです。
例えば、豆を挽くときの粒の大きさひとつで味が大きく変わります。
粉が細かすぎると、成分が過剰に溶け出して苦みが強くなり、逆に粗すぎると、十分に抽出されずに酸味が際立ってしまうのです。
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お湯の温度も気にする必要があり、沸騰したお湯を使うと雑味が増え、逆に温度が低すぎると酸味が強くなってしまいます。
これまでの一般的な見解では、科学的に最適とされるのは92〜94℃とされていて、この温度で抽出することで苦味と酸味のバランスが整った一杯を作ることができると言われていました。
ただ、2020年に発表された論文によると、抽出温度の違いは味のプロファイルに大きな影響を与えないと報告されており、最適な温度範囲にこだわるよりも、豆の挽き方や抽出時間にこだわった方が、究極の一杯に近づける可能性が高そうです。
では、最適な抽出時間はどのくらいなのでしょうか?
抽出時間は短すぎると酸味が強く、長すぎると雑味が増えてしまいます。
エスプレッソなら25〜30秒、ドリップなら3〜4分が理想的な時間とされています。
どんな豆を使うかによっても最適な時間は変わるので、試しながら自分の好みを見つけるのが楽しいポイントでもあります。
こうした条件は意外と多くの研究者が、様々な角度から研究していて、その条件を報告しています。では科学的に最高なコーヒーの淹れ方を具体的に見てみましょう。